経理仕訳関連

消費税の仕入税額控除の時期

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消費税の仕入税額控除の時期

経理業務の日々の取引の中で、その取引を計上する”月”をいつにすべきか悩む取引もあると思います。

当月にすべきか、翌月にすべきか。

翌年度の取引とすべき金額はいくらか。

費用は「発生主義」に基づいて認識するのが原則ですが、場合によっては「費用収益対応の原則」により当該の会計期間に計上する収益に対応した費用のみを認識し計上することもあります。

例えば、10取引したうち8を消化して収益を計上したのであれば、費用は8で未消化(未使用)の2は棚卸資産になるという話です。

経理業務では馴染みある取引と思いますが、この時の消費税の仕入税額控除は取引内容によっては10に対する仕入税額控除となったり、8に対する仕入税額控除になる場合もあります。

このように消費税の仕入税額控除の時期は会計基準や法人税法とは違う基準のため、課税期間が異なる場合があることに注意しましょう。

 

では主な取引ごとに課税仕入の税額控除時期をみていきましょう。

なお、課税仕入とは事業のために他の者から資産の譲渡等や役務の提供を受けることをいい、非課税となる給与等の取引は含まれません。

 

 

 

 

1.棚卸資産の仕入控除時期

 

商品などの棚卸資産を仕入れた場合の消費税の計上時期は、その引き渡しを受けた日になります。

ここでいう引き渡したを受けた日とは、一般的には商品等が着いた日(着日)ですが、毎期継続して棚卸資産の出荷日や検収日などを契約内容等に応じて引き渡した日としている場合には合理的に認められます。

商品等の棚卸資産の支払が、請求書による仕入れた日の翌月払いであったり、クレジットカードによる翌月決済であっても商品等の棚卸資産の引き渡しを受けた日が仕入税額控除の計上時期になります。

 

 

2.固定資産の仕入控除時期

 

器具、工具、建物、機械、機械設備や車両運搬具等の固定資産となる購入の場合は、原則引き渡しを受けた日が仕入税額控除の計上時期となります。(所有権等の譲渡など一部特例あり)

また、減価償却によって費用を各期に配分する場合においても消費税は資産の引き渡しを受けた日に一括して仕入税額控除することになり、会計基準や法人税法上とは違う部分になります。

 

 

3.繰延資産や役務提供の仕入控除時期

 

(1)繰延資産

創立費、開業費又は開発費等の繰延資産に係る課税仕入れ等について、法人税法上は基本的に各期に均等償却しますが、消費税の場合にはその課税仕入れ等を行った日の属する課税期間に仕入税額控除を計上することになります。

 

(2)役務の提供

役務の提供についてはサービスの提供が完了した日をもって仕入税額控除を計上することになります。

例えば契約が年間契約であっても支払いが毎月でその都度サービスの提供が完了している場合には、その月のサービスの提供を完了した日が仕入税額控除の計上となります。

なお、年間契約で支払いが前払いである場合、支払い時点で役務の提供が完了していないため仕入税額控除はできませんが、短期前払費用として法人税上で損金経理を行っている場合には支払い時点で仕入税額控除が認められています。

注意ポイント

短期前払費用とは前払費用のうち支払日から1年以内に役務の提供を受けるものをいい、継続適用してその事業年度の損金の額に算入することが条件となります。

 

 

4.リース取引等の仕入控除時期

 

リース取引は、リース資産の引き渡しを受けた日に仕入税額控除を一括計上することが原則になります。

リース取引には特例が設けられており、賃貸借契約に基づき支払われるリース料等については、その契約や慣習等により支払日が定められている場合にはその支払日が仕入税額控除の時期として処理することが認められています。

なお、リース料等を前払いしているような場合にはサービスが完了していないため仕入税額控除は原則できませんが、短期前払費用として法人税上で損金経理を行っている場合には支払い時点で仕入税額控除が認められています。

 

 

5.郵便切手類の仕入控除時期

 

郵便切手やレターパックは購入の時点では非課税仕入れに該当し、郵便配達というサービスの提供を受けた時点で課税仕入となり仕入税額控除を計上することになります。

ですが経理の実務処理として、購入の時点で通信費等の勘定科目により仕入税額控除を計上し処理されている会社が多いと思います。

これは郵便切手類を購入の時点で課税仕入れとして処理することを継続して行っている場合には、”購入時に仕入税額控除を計上することが認められている”からです。

この場合は、実際の未使用分の郵便切手類が課税期間で少数(少額)となるよう在庫管理にも注意しましょう。毎期在庫数に極端なバラつきがあったり年度末に大量購入し多数の在庫がある場合には税務調査で経費を否認されます。

このように郵便切手やレターパックは本来、郵便配達サービスの提供を受けた時点で課税仕入となりますので、購入時に課税仕入として計上した場合における年度末に未使用分をすくい出しする場合は、消費税額を含めて貯蔵品に振り替える必要があります。

 

 

まとめ

 

簡単ではありますがいつくかのパターンで仕入控除時期を確認してみました。

今回紹介しなかった部分で購入時点で課税仕入とはならず、サービスの提供時(使用時・利用時)に仕入控除となる取引には商品券やQUOカードなどがあります。

また、未成工事支出金や建設仮勘定は課税仕入時に仕入税額控除をすることが原則ですが、それぞれ特例もあります。

ですがポイントとしては基本的に引き渡しを受けた日が仕入税額控除の時期となります。

引き渡しを受けた日とは商品を買った日、建物が完成し発注者及び受注者双方が完了確認した日などの所有権が移転した日と言い換えることもできるでしょう。

この点をおさえておくと解りやすいのではないでしょうか。

 

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